

成長するゲームセンターへかける想い
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石川 武志
404 Not Foundがオープンして191日目の2月1日に、新たな一歩を踏み出した。
「404 ゲームセンター」 —— インディーゲームが常設展示され、誰でも気軽にプレイできる場が生まれた。
朝から多くの人が訪れ、ゲームに夢中になっている。

私が子どもの頃、ゲームセンターは少し怖くて、大人びた場所だった。
限られた小銭を握りしめ、憧れのゲームに挑むも、すぐに負けて帰る。
それでも、そこにはワクワクと背伸びの感覚があった。
9年前、18年間の専門学校教員生活を終え、ゲーム業界に飛び込んだ。
2017年からBitSummitの運営に関わり、世界中のクリエイターたちと出会った。
彼らはイベントの合間にプレイヤーの声を取り入れ、ゲームを進化させていた。
「この場が常にあればいいのに」 —— そう強く思った。
そして今、404 ゲームセンターが生まれた。
404には、中学二年生の常連がいる。彼もゲームを作り、ゲームクリエイター甲子園を目指している。
そんな彼の作品も、ここに並べたい。
クリエイターの作ったゲームが既存のマーケットの中だけで消費される以外の新しい場と仕組みを考えた結果、今回の形に落ち着いた。まだまだブラッシュアップが必要だが、まずは取り組みながら頑張っていこうと思っている。
仕組み

これまで通りフリーで遊べるゾーンを残しながら、
新たに 「アドバンスドゾーン」と「プライマリーゾーン」 を設置。
1. カフェでドリンクを購入すると、コインを3枚受け取る
2. 遊んだゲームに投票できる
3. 売上の一部がクリエイターに還元される

まるで鳥の巣箱のような可愛い投票箱は、現代美術アーティスト 佐塚 真啓さん に依頼。
404のステージやハイテーブルも手掛けてくれている素晴らしいセンスの持ち主だ。

たくさんの協力者たち
この仕組みは、多くの企業や団体の協力によって実現した。

• make.ctrl.Japan — 変わったコントローラーを使ってゲームを開発する団体。開業前から協力いただいている。
• IGDA 日本支部 — 事務局長の小野さんには長年お世話になっている。
• ゲームクリエイターズギルド — 「ゲームクリエイター甲子園」を主催し、中高生や大学生の未来のクリエイターを支援。
• ZOTAC Technology PTE Limited. — シンガポールを拠点とする機材メーカー。今回の展示に多大な機材協力をいただいた。
• アウリン — インディーゲームを応援する企業。BitSummitでも機材協力を提供。
さらに、新しい体験も
昨年9月に話題を呼んだXRミステリーアドベンチャー
「Three Psychometrists(3人のサイコメトラー)」 が、ついにカジュアル体験できるように!
上田慎一郎監督によるオリジナルストーリーと最新XR技術の融合で、物語の主人公になりきれる唯一無二の体験。
▶ 詳細はこちらから:https://styly.cc/suec/threepsychometrist
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このゲームセンターは私一人で生み出したわけではなく、
404に関わる全てのメンバーにより生み出されたことである。
このような取り組みに賛同してくれたメンバーには感謝が尽きない。
本当に有難く思っている。
ゲームも、
ゲームセンター自体も、
クリエイターも、
そして、404 Not Foundもこれからもっと成長していくだろう。
さらにより多くの人がクリエイターと出会い、関わりあることで、
新たな挑戦を始める場所にしていきたい。
Player
一般社団法人 渋谷あそびば制作委員会 理事 / 超内会長・404 Not Found プロデューサー
石川 武志
デザイン専門学校入学、卒業後、同校で18年の教員経験。その後、ゲーム会社への転職9年目。現在スタジオマネージャー。アートイベントプロデュースや404NotFoundプロデューサーとして東京、大阪2拠点生活中。多様な経験からとりあえずやってみる精神で何事もチャレンジし続けている。